惑星リュウグウは、1999年にアメリカのリンカーン研究所により発見されたのち地球近傍天体と定義され、「潜在的に危険な小惑星」として現在は分類されています。
今回は惑星リュウグウについて解説していきます。
潜在的に危険な小惑星?!惑星リュウグウとは何?
「潜在的に危険な小惑星」とは、数ある小惑星の中でも特に地球に衝突する可能性が高く、さらに衝突時に与える影響が大きいものとされる小惑星となります。
リュウグウへの着陸成功
2019年に日本の宇宙航空研究開発機構(通称JAXA)により開発された小惑星探査機「はやぶさ2」がリュウグウへの着陸を成功させました。
リュウグウの地表から様々なサンプリングを実施し、2020年にサンプルの入ったカプセルがオーストラリアで回収されたのは大きな話題となりました。
「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」で採取した岩石などのサンプルは、謎に満ちた隕石の起源に光を当てるだけでなく、地球における生命誕生についての手がかりを得られる可能性も期待されている。(アーカイヴ記事)https://t.co/IQwc3t7GNZ
— WIRED.jp (@wired_jp) 2021年12月7日
生命の起源は宇宙から降り注いだ隕石にあるという説もあり、小惑星地表のサンプル採取は生命の起源にたどり着くかもしれない人類史にとって大きな第一歩であったと言えるのです。
さて、そんな惑星リュウグウについて、どのような場所に存在しているのか、また何のために調査を実施したのかを詳しく説明します!
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惑星リュウグウの場所は?惑星の位置関係で言うとどこ?
「惑星」と言う言葉はよく聞きますが、言葉で認識している場合が多々であると思います。
惑星は「恒星」と呼ばれる「自ら光を発するガス性の星」の周りを回るものと定義されています。
つまり我々が日々接している「太陽」の周りを回る星が惑星ということですね。
我々が生活している地球も惑星ですし、火星や木星も惑星です。
そしてリュウグウも、太陽の周囲を回る小さな惑星と定義されています。
一点にとどまらず常に動いていることから、場所は常時変化している状態ですが、観測により地球と火星の間をぐるぐると回る軌道をとっていることが判明しています。
その周期は約1.3年ということですので、地球よりは若干ゆっくり目に太陽の周りを回っているということになりますね。
リュウグウって地球と火星の間を1.3年の公転周期で回っているけど、火星は2年
— 節電 (@YamagawaH) 2019年2月23日
木星は12年
土星は30年
ネプチューン(海王星)
だと165年も掛かるんですよ
距離も30au
太陽の引力ってすごいねぇ(^^)
小惑星の大半は火星と木星の間に存在しているのですが、リュウグウは地球から近い軌道を持っており、また太陽系が形成された頃の有機物などが多く含まれていると推測されたことから調査対象となった経緯があります。
リュウグウという名前
さて「リュウグウ」という名前がなぜついたのでしょうか?
小惑星の名称は神話由来が望ましいという国際的なルールに加え、浦島太郎が玉手箱を持ち帰る有名な物語とはやぶさ2がサンプルを持ち帰ることが重なり付けられたそうです。
JAXAが調査対象としたのちに公募したのですが、調査行為と日本神話がうまくマッチした運命的なネーミングだと思いませんか?
通常は名称決定に時間がかかるそうですが、2週間ほどで決まったのも納得ですね!
はやぶさ2が向かう1999JU3は、「Ryugu」(日本表記:リュウグウ)に決定しました!7336件の応募の中から選ばれました。IAUでの名称決定には、通常3ヶ月程度かかるのですが、わずか2週間での異例の決定だったそうです。 pic.twitter.com/aaxX1e1zrD
— 上坂浩光 (@kawauso_twi) 2015年10月5日
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惑星リュウグウは何のために調査したの?
地球上に生命はなぜ誕生したのでしょうか?
もう少し軌道がずれていたら、大きさが違っていたら成立していなかったなど、地球は様々な奇跡が重なって生命が存在できたと言われております。
その生命の起源は実は小惑星によってもたらされた、と考えられているのです。
【パンスペルミア説】
— 地球惑星単語bot (@ChikuwaWords) 2021年12月6日
生命の起源は地球外にあるという説。火星隕石ALH84001からバクテリアの化石のようなものが発見されたことから、原始火星で生命が誕生したとするモデルが有名。写真はそのバクテリアの化石らしきもの。 pic.twitter.com/oKXqbzw01U
小惑星への探査船着陸及びサンプル採取はリュウグウが初めてではありません。
2005年にはやぶさ2の前身探査機である「はやぶさ」が「小惑星イトカワ」へ着陸しサンプル採取を実施しています。
しかしこのイトカワは、岩石質の小惑星と分類される「S型小惑星」であり、生命の起源を調査できるまでの成分が十分に含まれているとは言えない状態でした。
対してリュウグウは生命発生に重要な役割を果たしたと考えられる有機物や水を多く含む「C型小惑星」に属し、その小惑星群の中でも例外的に太陽に近い軌道を通ってたことから調査対象に選ばれたのです。
我々からみれば何の変哲もなさそうな石の塊が、我々という存在をもたらしたと考えると何だか不思議な感覚となりますよね。
まとめ
サンプルが地球に届いてから1年。順調に分析が進んだ結果JAXAは2022年春にも隕石学の歴史を塗り替えてしまう大発見の発表ができる可能性が高い、と記者会見をしています。
産経新聞: はやぶさ2試料 来春にも歴史塗り替える発表
— Jumpei ARAI (@araijumpei) 2021年12月7日
「年内に論文を投稿し、審査を経て来春に成果を公表。既に水や有機物を含むことを示す特徴が見つかっていることから、地球の水の起源や生命誕生の謎の解明につながる期待が高まっている」https://t.co/mYW384Lvce
生命の起源、私たち人間の起源が明かされるかもしれず、新しい歴史が刻まれる瞬間を私たちは共に出来ることを期待して待ちましょう!