油の中でもスッキリとした口当たりで、胸焼けもしにくいと好まれるえごま油。
健康効果がたくさん含まれていることでも知られ、血圧やコレステロールを低下させるといった生活習慣病の予防になるともいわれています。
今回は、血圧を下げるといった効能をもつとされる「えごま油」について、詳しくみていきます。
えごま油の健康効果は高い?どんな効能がある?血圧を下げるの?
えごま油は古来より油として使われており、その健康効果を高く期待されてきました。
では、なぜ健康効果が高く期待されているのでしょうか?
その答えはえごま油が含んでいる栄養素、オメガ3脂肪酸にあります。
オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)
えごま油には現代人の食生活で少なくなりがちなオメガ3脂肪酸の、α-リノレン酸が豊富に含まれています。
このα-リノレン酸は体内に入ると、エイコサペンタエン(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)に変化します。
このEPAとDHAは鯖缶などにも含まれており、近年よく耳にする成分でしょう。
では、オメガ3脂肪酸を含むえごま油。
この油には、どのような効能が期待されているのでしょうか?
例を見ていきましょう。
・血圧を下げる働き
えごま油に含まれるα-リノレン酸は、血圧を下げる働きを持ちます。
また身体の中で変化したEPAとDHAは、血液をサラサラにすることの働きをもっています。
またそれ以外にもオメガ3脂肪酸は、心疾患のリスクを下げるという報告もあるようです。
・ダイエット向き
えごま油は代謝の力を活発に働かせ、脂肪を燃焼しやすくさせると言われています。
代謝を活発化にさせるからといって、多く体内にとりこめばいいわけではありません。
多く摂取しすぎると、下痢になってしまう場合もあるので気を付ける必要があります。
目安としては、18歳以上の方で平均2g(スプーン1杯ほど)でも十分とされています。
・アレルギーを抑える
えごま油に含まれるα-リノレン酸は、リノール酸と競り合うように働く力があります。
アレルギーは、リノール酸を摂りすぎてしまったことによって起こるケースがあります。
例えば、サラダ油です。
サラダ油などにはオメガ6系脂肪酸(n‐6系)が含まれており、リノール酸は必須脂肪酸の1つです。
そのため、サラダ油知らず知らずのうちに摂取し過ぎている場合、このα-リノレン酸は、競り合うように働くため、結果としてアレルギーを抑える働きをしているということなのです。
スポンサーリンク
気を付けること
えごま油は普通の油に比べて劣化がしやすいということです。
熱や光、酸素などによって酸化がしやすいのです。
これは保管時も同様です。
えごま油の保管方法を適当にしてしまうと、酸化してしまい油の質が低下を招く危険性があります。
この影響で質の悪くなった油は、血流を悪くさせてしまったり、認知症といった症状を引き起こしてしまう原因に繋がってしまいかねませんので、注意が必要です。
えごま油は熱に弱いため、保管する際は、温度が低い場所(冷蔵庫や冷暗所)で保管するようにしましょう。
また、多くの食品と同様、開封後は早めに使い切ることも大切です。
ちなみに、熱に弱いということで加熱調理に弱い性質もあります。
常温でそのまま飲んでもいいとも言われているくらいのものです。
じゃあどうやって使えばいいの?と思うかもしれません…。
例えば、卵かけご飯や納豆、豆腐、ヨーグルト、よそったお味噌汁など。
このようなものに混ぜて摂取するのが多くおススメされている方法です。
ちなみにえごま油とは何?どんなの植物からとれるの?
オメガ3脂肪酸といえば、魚のイメージが強いのではないでしょうか?
もちろん魚であれば、魚油というものが存在します。
今回話題にしているえごま油は、植物からつくる油です。
えごま油は「エゴマ」という植物の種子を絞って作る油であり、このエゴマはシソ科の植物で、大葉とよく似ている葉を持っています。
えごま油に使われるエゴマは、古くから食用にも利用されています。
主に飛騨地方では、「五平餅」のタレとしてエゴマの種子が使われているんですよ。
さらに平安時代の頃では、油として使われていたという記録もあるようで、当時の場合、灯りとしてよく使われていたそうです。
その後江戸時代に入ると、主な油の原料が別のものに移り変わります。
それは菜種です。理由は、菜種は栽培が楽であるということからのようです。
まとめ
えごま油は、人間が体で作り出せないオメガ3脂肪酸を含んでいることもあり、ここ数年でより注目が集まっています。
オメガ3脂肪酸が含んでいる栄養素は、素晴らしいものと評価されています。
サプリメントなどで栄養を補うことも当たり前になってきた時代ですが、もしも食品から摂取できるのであれば、そちらの方がいいでしょう。
えごま油のいいところが、たくさん伝われば嬉しく思います。