大人のとれんでぃ

大人になって「あ、あまり世の中のことに興味持っていないな…」と焦った時にちょっと世の中の新しいことが分かるブログ。

奄美大島の伝統!泥染めとは一体なに?やり方や大島軸の特徴を調査!

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着物を着ることってありますか?

私は自分で着ることができないので、着物はなかなかハードルが高い存在です。

 

とはいえ母のタンスには何枚もの着物があって、その中には大島紬(おおしまつむぎ)なるものもあります。黒地のその着物は重厚感があり、その他の着物とは少し違う気がするのですが、何か違いがあるのでしょうか?

 

大島紬は、泥染めという独特な染め方で染められるらしいのですが、今回はそれがどんなものなのか調査してみます。

 

 

奄美大島 泥染めのやり方ってどうやって染めてるのだろうか?

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泥染めってどうやって始まった?

 昔から伝わる話として聞いたところによると、奄美大島では日本の首都に染物をたくさん献上していました。

 

しかし、その要望がとても多かったので、職人さんたちは自分たちのものを確保するために田んぼにその染め物を沈めて隠しました。役人が帰った後、その織物を拾い上げたところ、沈める前の赤い色は消え失せ黒い織物に変わっていたのです。

 

職人さんたちは、泥で染めると織物が黒に染まることを知り、それ以降は泥で染めるようになったとのことです。

 

泥染めの工程とは?

泥染めは以下のような工程で行われます。

 

(1)テーチ木染め(前染め)

シャリンパイ(奄美大島ではテーチ木という)という木の枝を削り、水を入れた大きな鍋で煮立てると、赤い液体になります。

この液を別桶に移してから絹糸を入れて漬け込み、揉みこんだりほぐしたりしながら、糸と糸の間にすき間なく液がいきわたるようにします。

力強くも優しく行うこの作業は、長年の経験と勘が必要な作業となります。

 

(2)乾燥と染めの繰り返し

絹糸を乾燥させる。デーチ木の液につけて染める。の作業を約30回程度繰り返します。時間と手間をかけることによってキレイな色が生まれるのです。

 

 

(3)泥染め(本染め)

テーチ木によって染められた絹糸を、泥田(泥染めをするための田んぼで水田とは異なる)につけて丁寧になじませていきます。テーチ木に含まれるタンニン酸と、奄美大島の泥の中に多く含まれる鉄分の化合によって絹糸は黒色へと変化します。

 

テーチ木染め30回と泥染め1回の工程を1セットにして、約4回繰り返すことにより、独特の黒が姿を現します。

 

なぜ奄美大島独特の染物なの?

奄美大島の泥は、手で持っていても指の間からこぼれ落ちていくほど粒子が細かく、錦糸の中に鉄分が入り込みやすいので、キレイに染まります。

 

また奄美大島の泥田には、多くの鉄が含まれています。だからこそあの深い黒の色を出すことができるのです。

 

それはまさに自然がくれた奄美大島でしかできない染物と言えるでしょう。

 

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泥染めと言えば大島紬が有名!大島軸の特徴って?

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大島紬とは

大島紬は、フランスのゴブラン織りやイランのペルシャ絨毯とともに世界三大織物と数えられています。

 

30以上もの複雑な工程をもつ大島紬の製作には、半年から1年もの年月を要します。

美しい図柄や深いつやのある黒色の織物は、150年から200年に渡って着ることのできる丈夫な織物と言われ、親子代々で受け継がれることも多いと聞きます。

 

大島紬の定義とは

  • 絹100%である
  • 先染手織りである
  • 平織である
  • 締機(しめばた)で手作業により縦横の絣の加工をしたもの
  • 手機で縦横絣をカスリ合せて織り上げたもの

 

大島紬の柄といえば

  • 女性用
    龍郷柄(たつごうがら)
    奄美を代表する古典柄で奄美に自生するソテツがデザインされたもの。
    ・ソテツの葉と実を幾何学模様で表現した代表的な柄。
    ・その他に古典模様・幾何学模様・草花模様・更紗模様・モダンアートなど。
  • 男性用
    亀甲柄(きっこうがら)
    ・男物の小付けを模様の代表格。
    ・縁起の良い亀甲を象っており、男性の風格を引き立てるとされている。
    ・その他に西郷柄・有馬柄・伝優柄・白雲柄など。

 

大島紬と証明する商標は

品質を保証する日の丸と旭日旗を模した商標は、第二次世界大戦後に奄美大島が日本の施政権を離れたため利用できなくなり、本土復帰を果たした後は、地球印の現在の商標が使われています。

こちらが、本物大島紬であることを証明するものになります。

 

 

まとめ

奄美大島の泥染めは、奄美大島の自然がくれた染物の工法でした。

大島紬は、奄美大島の伝統工芸で生み出された絹糸を、伝統的な織り方で表現した世界に誇る織物です。

 

私たち日本人は、世界の誇ることのできるこの伝統を守り、後世に継承していくことを求められていると感じました。これからは、時々和服を着て外出をするのもいいかな。と感じています。