コロナ対策による政府の政策効果で、倒産による損失を回避しました。
「2021年9月に5大銀行グループの中間連結決算が出揃い、純利益の合計が前年同期比77.4%増の1兆8150億円と3年振りに増加した。
現在の5大銀行グループ体制になった11年度以降で、最大だった18年度を4億円超えて過去最高となった。」JIJI.com より
この背景には、政府による実質無利子・無担保融資(通称 ゼロゼロ融資)による財政支援により倒産件数が57年振りに少なかったことが大きな要因となっているようです。
コロナ禍ですから、倒産による融資の焦付くリスクに備えて、積み増ししていた貸倒引当金を使わずに済んだことが増益に繋がったようです。
今期は、政府の財政支援の影響が大きかったことは間違い無いと思うのですが、実際には、政府の支援があっても経営が厳しい企業や個人のお店が多いことには変わりがない。
むしろ、政府の支援が切れたときに本当の危機に直面するのではないでしょうか。
5大銀行がなぜ過去最高の純利益になったのか?要因を徹底調査!

要因としては、コロナ禍に伴う取引先の経営悪化に備える費用(損失)が減ったことが挙げられるでしょう。
2016年から続くマイナス金利政策によって、銀行の収益は大幅に減少しました。
コスト削減
それに伴い、多くの銀行はコスト削減を図ります。
AI(人工知能)の導入や人員の削減、支店の閉鎖などの効率を図る。
マイナス幅を最小限に
また、2020年にはコロナ禍の影響で融資の低迷、貸倒引当金の増大などマイナス要因多い中、外国債権の売却収益などの海外証券ビジネスの好調、株高に伴う資産運用増益でマイナス幅を最小限にとどめました。
MUFGにいたっては、持ち分法適用会社である米国モルガン・スタンレーの業績好調が寄与したことが大きいようです。
最も大きな要因
ですが、やはり最も大きな要因は、先にも述べたように、融資の焦付きに備えて積んでいた与信費用が取引先の業績回復などで不要になり戻ってくる「戻り益」が大きな要因となりました。
コロナの感染が広がった前年同期1700億円を費用として計上していたが、この影響が無くなったことで全体の利益を押し上げた形となったようです。
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5大銀行の業績好調で今後どんな影響が出そうか?

不良債権の額が増えるのでは?
2016年の『ゼロ金利政策』により個人や企業は資金が借りやすくなったが、この政策によってお金を貸した側の金融機関にとっては都合の良いことばかりではありません。
ゼロ金利政策によりお金の流動性を促す目的ではあったようですが、今期の決算の業績好調の理由の中に「コロナ前より倒産件数が少なかった」とあったように、ゼロ金利でも倒産はあったと容易に推測できます。
そのような中、コロナの拡大によって「緊急事態宣言」が発令され、都市部ではリモートワークに切り替えるなど、通常の業務が維持出来ない状況が続きました。
そして、ゼロゼロ融資による財政支援と中小企業への補助金、このような背景があり倒産件数が減少したに過ぎません。
「一過性のもの」という見方もできてしまいますね。
補助金・助成金も、そう長くは給付することは出来ないでしょうから、焦付きが
増えるのでは?という不安は拭えないですね。
まとめ
アフリカの方で、新たな「変異株コロナウイルス」が発見され、日本を水際対策の検討を始めました。
欧州の方では既に、入国規制をした国もあります。
今回の変異株コロナウイルスは、従来のワクチンでは感染を防ぐことが出来ない、ということも分かってきています。
輸入の制限もかかってくるかもしれませんね。
また、今期の決算で目立ったのは『銀行本来の稼ぎ』による利益が見られなかったのも大きな不安材料になります。どこの銀行も、そのあたりの見直しは触れておらず「不透明」との見方が強いようでした。
もしかしたら、このまま順調にとは行かなそうですね…。